GPX4のパルミトイル化制御によるフェロプトーシス誘導:新たながん治療戦略 | KusuriJapan

がん細胞の生存に重要な酵素GPX4の安定性が、パルミトイル化という翻訳後修飾によって制御されていることが発見されました。この修飾を阻害することで、がん細胞に特異的な細胞死「フェロプトーシス」を誘導できる可能性があります。

フェロプトーシスとGPX4フェロプトーシスは、鉄依存的な脂質過酸化の蓄積によって引き起こされる細胞死であり、従来のアポトーシス抵抗性のがん細胞を死滅させるメカニズムとして注目されています。GPX4(グルタチオンペルオキシダーゼ4)は、この脂質過酸化を防ぐ主要な酵素であり、がん細胞はGPX4を高発現させてフェロプトーシスを回避しています。パルミトイル化による安定化機構研究により、GPX4がパルミトイル化(脂質修飾)を受けることで細胞膜等の特定の場所に局在し、タンパク質分解から免れていることが明らかになりました。パルミトイル化酵素を阻害すると、GPX4は不安定化し、がん細胞は酸化ストレスに耐え切れず死滅しました。治療標的としての可能性GPX4のパルミトイル化阻害剤は、免疫チェックポイント阻害剤の効果を高める「免疫原性細胞死」を誘導することも示唆されています。新たながん代謝療法として、創薬開発への応用が期待されます。