CAR-T療法抵抗性の新機序:加齢に伴うNAD+低下とT細胞疲弊 | KusuriJapan

高齢患者におけるCAR-T細胞療法の効果減弱の一因として、加齢に伴うNAD+レベルの低下が判明しました。NAD+補充によるミトコンドリア機能改善が、治療効果を高める可能性があります。

加齢とT細胞機能CAR-T細胞療法は血液がんに対して高い効果を示しますが、高齢患者では若年層と比較して奏功率が低い傾向にあります。最新の研究により、加齢に伴うニコチンアミドアデニジヌクレオチド(NAD+)の細胞内濃度低下が、T細胞の代謝機能を損ない、抗腫瘍活性を低下させることが明らかになりました。ミトコンドリア機能不全の改善NAD+はミトコンドリアの酸化的リン酸化に不可欠な補酵素です。NAD+前駆体(ニコチンアミドリボシドなど)を補給することで、疲弊したT細胞のミトコンドリア機能が回復し、増殖能と細胞傷害活性が向上することが前臨床試験で示されました。臨床応用の展望CAR-T製造過程における培養液へのNAD+添加や、治療前後の患者へのサプリメント投与など、シンプルかつ低コストな介入で治療成績を改善できる可能性があり、早期の臨床試験が期待されています。