血液脳関門を通過する新薬送達プラットフォーム:認知症・脳腫瘍治療の革新 | KusuriJapan

血液脳関門(BBB)を効率的に通過できる新規ナノ粒子プラットフォームが開発されました。アルツハイマー病や脳腫瘍などの難治性疾患に対し、治療薬を脳実質へ直接送達する道を開くな技術です。

中枢神経系治療の最大の障壁:BBB脳脊髄液と血液の間にある血液脳関門(BBB)は、有害物質の侵入を防ぐ重要な防御機構ですが、同時に多くの治療薬の脳内移行を阻む壁でもあります。このため、アルツハイマー病や脳腫瘍に対する有望な薬剤候補が、十分な脳内濃度に達せず開発中止となる事例が後を絶ちませんでした。新規DDS(ドラッグデリバリーシステム)の特徴新たに開発されたナノ粒子キャリアは、BBB上の特定の受容体を介したトランスサイトーシス機構を利用することで、高分子薬剤であっても効率的に脳内へ輸送することを可能にしました。また、抗炎症薬や抗がん剤など、多様なモダリティの薬剤を搭載可能です。疾患治療への応用可能性この技術により、アルツハイマー病におけるアミロイド斑除去抗体の送達効率向上や、膠芽腫(GBM)に対する抗がん剤の集中投与が可能になると期待されています。また、多発性硬化症やパーキンソン病といった他の中枢神経変性疾患への応用も視野に入れた開発が進められています。