腫瘍内細菌叢の代謝産物ががん進行に与える影響 | KusuriJapan
大腸がん組織内に共生する特定の細菌が産生する代謝物(2-メチルイソクエン酸など)が、がん細胞のエネルギー代謝を変化させ、治療抵抗性や転移能を増強することが明らかになりました。
マイクロバイオームと癌腫瘍内には細菌が存在し、複雑な微小環境の一部を構成しています。特にフソバクテリウムなどの菌種は、がん細胞に付着・侵入し、免疫回避や化学療法耐性を誘導することが知られていましたが、今回、細菌由来の代謝産物が直接的なシグナル伝達物質として機能するメカニズムが解明されました。代謝クロストーク細菌が産生する小分子代謝物が、がん細胞のミトコンドリア機能を修飾したり、エピジェネティックな変化を引き起こしたりすることで、がんの悪性度を高めます。この細菌-宿主間の代謝コミュニケーションを遮断することが治療につながる可能性があります。抗生物質併用の可能性特定の腫瘍内細菌の除菌や、細菌代謝酵素の阻害剤を、従来の抗がん剤と併用することで、治療効果を改善する新たな複合免疫療法の開発が進められています。