腸内細菌叢による抗腫瘍免疫の制御:胆汁酸代謝物の役割 | KusuriJapan
腸内細菌が産生する胆汁酸代謝物が、抗腫瘍免疫を増強するメカニズムが解明されました。腸内環境への介入が、がんの進行抑制や免疫療法の効果増強につながる可能性を示唆しています。
マイクロバイオームとがん免疫腸内細菌叢(マイクロバイオーム)が全身の免疫系に影響を与えることは知られていますが、その詳細な分子メカニズムの一つとして、胆汁酸代謝物の関与が明らかになりました。特定の腸内細菌は、一次胆汁酸を二次胆汁酸へと変換し、これが免疫細胞の受容体に作用します。アンドロゲンシグナル遮断と免疫活性化研究では、特定の胆汁酸代謝物ががん細胞の増殖に関わるアンドロゲンシグナルを抑制する作用や、エフェクターT細胞の機能を高める作用を持つことが示されました。これにより、腫瘍の増殖環境が抑制され、免疫監視機構が強化・維持されると考えられます。新たな治療モダリティとしてこの知見は、プロバイオティクスや特定の代謝物を投与する「マイクロバイオーム創薬」の可能性を広げます。既存の治療法と組み合わせることで、がん患者の予後改善に寄与する新たな補助療法となる可能性があります。