造血幹細胞の安定的体外増幅技術:7つの転写因子によるリプログラミング | KusuriJapan
マウスES細胞/iPS細胞から、長期造血再建能を持つ真の造血幹細胞(HSC)を効率的に誘導・増幅する方法が確立されました。7つの特定転写因子を導入することで、これまで困難だったHSCの体外作製に成功しました。
再生医療の聖杯:HSCの作製白血病治療などで行われる造血幹細胞移植はドナー不足が深刻です。多能性幹細胞(ES/iPS細胞)からHSCを作製できれば供給問題を解決できますが、移植可能な機能を持ったHSCを誘導することは極めて困難で、「聖杯」とも呼ばれていました。転写因子カクテルの同定研究チームは、HSCの発生と維持に不可欠な7つの転写因子を特定し、これらを一時的に発現させることで、前駆細胞から機能的なHSC様細胞へと運命転換させることに成功しました。作製された細胞はマウス体内での生着と正常な造血機能を示しました。ヒト応用への期待この技術原理をヒト細胞に応用できれば、拒絶反応のない自家iPS由来HSC移植や、遺伝子改変HSCによる遺伝性血液疾患の治療が可能となります。血液疾患治療のパラダイムシフトに向けた大きな一歩です。