がん細胞のクローン進化をリアルタイム観察:薬剤耐性獲得のメカニズム解明 | KusuriJapan
がん細胞が治療ストレスにさらされた際、どのように遺伝的多様性(へテロジェネイティ)を獲得し、耐性化していくかの過程をライブイメージングで捉えることに成功しました。進化を先回りする治療戦略へのヒントとなります。
治療抵抗性の根源:腫瘍内不均一性がん組織は単一の細胞集団ではなく、多様な遺伝的背景を持つクローンの集合体です。化学療法や放射線治療を行うと、感受性のある細胞は死滅しますが、一部の抵抗性クローンが生き残り(選択圧)、さらに新たな変異を獲得して増殖することが再発の主因です。適応進化の可視化研究チームは、バーコーディング技術とタイムラプス顕微鏡を組み合わせ、個々のがん細胞の系譜を追跡しました。その結果、DNA複製ストレス下で細胞分裂のエラーが誘発され、短期間で爆発的に多様性が増大する様子が観察されました。進化を阻止する治療へがん細胞が多様性を獲得する瞬間の分子メカニズムを標的とすることで、耐性細胞の出現自体を抑える「進化適応阻止療法」の開発が期待されます。例えば、DNA修復経路の阻害剤と既存薬の併用などが検討されています。