抗体薬物複合体(ADC)の進化:第1世代から次世代型へ | KusuriJapan
「魔法の弾丸」として登場したADCは、リンカー技術やペイロードの改良により進化を続けています。エンハーツに代表される次世代型ADCは、バイスタンダー効果により不均一な腫瘍にも有効です。
ADCの世代交代初期のADC(カドサイラ等)は、抗体と薬物の結合が不安定であったり、薬物抗体比(DAR)が不均一であったりする課題がありました。次世代型ADCは、切断可能リンカーの採用や部位特異的結合技術により、血中安定性と腫瘍内での薬物放出効率が飛躍的に向上しています。バイスタンダー効果最新のADC(トラスツズマブ デルクステカン等)は、標的抗原を発現していない近隣のがん細胞も殺傷する「バイスタンダー効果」を有しています。これにより、抗原発現が不均一な固形がん(HER2低発現乳がん等)に対しても高い奏功率を示します。適応拡大とトキシシティ管理乳がん、胃がん、肺がんなどへの適応拡大が進む一方で、間質性肺炎などの重篤な副作用管理が重要です。新たな標的抗原(TROP2、HER3等)や新規ペイロード(トポイソメラーゼ阻害薬等)を組み合わせた開発競争が激化しています。