クラミジア感染症に対する新規標的治療:共生細菌を温存する抗菌分子 | KusuriJapan
性感染症の主要な原因であるクラミジア・トラコマティスに対し、腸内細菌などの常在菌叢を破壊することなく選択的に殺菌する新たな低分子化合物が発見されました。薬剤耐性菌対策やマイクロバイオーム保護の観点から有望です。
抗菌薬治療のジレンマ従来の広域スペクトル抗菌薬によるクラミジア治療は、腸内や膣内の有益な常在細菌叢(善玉菌)まで殺してしまい、菌交代症や他の感染症リスクを高める副作用がありました。マイクロバイオームへのダメージを避ける治療法の開発が求められていました。選択的抗菌作用のメカニズム新たに同定された分子は、クラミジアの生存に必須だが他の細菌やヒト細胞には存在しない(あるいは重要度が低い)特定の代謝経路や酵素を標的としています。これにより、標的菌のみをピンポイントで排除することが可能となりました。臨床的意義この「プレシジョン(精密)抗菌薬」とも呼べる薬剤は、副作用を軽減するだけでなく、広域抗菌薬の乱用による多剤耐性菌の出現抑制にも寄与します。次世代の感染症治療薬として、早期の実用化が待たれます。