ナノ医療が拓く未来:ミクロの決死圏を実現する片岡一則氏のビジョン | KusuriJapan
東京大学名誉教授の片岡一則氏は、ナノテクノロジーを駆使した「標的治療」の第一人者です。SF映画『ミクロの決死圏』のように、ナノマシンが体内を巡り病巣をピンポイントで治療する技術の社会実装に向け、研究を牽引しています。
ナノマシン研究の最前線片岡氏がセンター長を務めるナノ医療イノベーションセンター(iCONM)では、ウイルスサイズの高機能ナノマシン(高分子ミセル)の開発が進んでいます。これは、血流に乗って体内を循環し、がん組織や脳などの標的部位に選択的に薬剤や遺伝子を届けるDDS(ドラッグデリバリーシステム)技術の到達点です。副作用なき治療への挑戦従来の抗がん剤は正常細胞も攻撃してしまう副作用が課題でしたが、ナノマシン技術は「必要な場所に必要な量だけ」薬剤を届けることを可能にします。これにより、副作用を劇的に低減しつつ、治療効果を最大化することが可能となります。ノーベル賞級のインパクト高分子化学と医学を融合させたこの先駆的な研究は、世界的にも高く評価されており、がん治療のみならず、アルツハイマー病などの神経変性疾患の治療にも革新をもたらすと期待されています。