PTEN過誤腫症候群に対するPI3K阻害剤の治療応用 | KusuriJapan
PTEN遺伝子の生殖細胞系列変異による遺伝性疾患(PHTS)に対し、がん治療に用いられるPI3Kα阻害剤が血管奇形改善に効果を示しました。ドラッグ・リポジショニングの好例です。
PTEN過誤腫症候群(PHTS)とはPTENは腫瘍抑制遺伝子であり、その生殖細胞系列変異はCowden症候群やBannayan-Riley-Ruvalcaba症候群などのPHTS(PTEN Hamartoma Tumour Syndrome)を引き起こします。患者は若年で多発性の過誤腫、血管奇形、乳がん・甲状腺がんなどの悪性腫瘍リスクを抱えます。PI3K経路の過剰活性化と治療標的PTEN機能喪失により、PI3K-Akt経路が恒常的に活性化されます。研究者らは、既存のがん治療薬であるPI3Kα選択的阻害剤をPHTSに応用し、前臨床モデルで血管病変の縮小と疼痛の軽減を確認しました。患者への希望PHSTは希少疾患でありながら、罹患者のQOLを著しく損なう疾患です。既存薬の再利用(ドラッグ・リポジショニング)により、開発コストを抑えつつ新たな治療オプションを提供できる可能性が開かれました。